「移動時間、20時間!?」
パンフレットを見た時、正直そう思いました。飛行機なら1時間半。常識で考えれば、わざわざ20時間かける意味なんてない。
でも今、声を大にして言いたい。あの20時間こそが、旅の本番。そして旅行好きならワクワクしかないのです。
2025年の年末、ずっと気になっていた「船で行く北海道」を、ようやく経験してきました。茨城・大洗港から北海道・苫小牧港へ向かう、商船三井さんふらわあ(@molferry_)の20時間の旅。
友人と2人で乗り込んだあの夜から、翌日デッキで見た朝日まで——「タイパ重視で駆け抜ける毎日に、こんなにも必要な”余白”があったのか」と、心の底から思える時間でした。
この記事では、初めての宿泊型船旅で感じたこと、船内のリアルなレポート、料金や持ち物、そして「三陸沖で見た忘れられない朝日」まで、全部記録します🚢✨
大洗港19時、冬の夜空に滑り出すフェリー


東京から大洗港までは、特急+電車を乗り継いで約2時間半。車がなくても全然行けるのがありがたいポイントです。


大洗港フェリーターミナルに着いたのは夕方。外は冬の夜の静けさが広がっていて、「これから本当に北海道へ船で向かうんだ」とちょっとした非日常感に包まれます。一方で、ターミナルの待合室にはそこそこ人がいて、これから始まる旅にワクワクしている乗船客の話し声がほどよく賑やか。静けさと高揚感が混じる、独特の空気感でした。

そしてついに乗船。タラップを歩いて船へ渡る瞬間、より一層ワクワク感が湧き上がってきます。船自体は何度も乗ったことがあるけれど、「これに泊まる。これに20時間揺られる」というのは初めて。いざ目の前にすると新鮮。
19時頃の出港。冬で外は真っ暗、汽笛も気づかないまま、するりと大洗港を離れて——気づいたら窓の外は完全な海の闇になっていました。
お部屋レポ|窓なしスーペリアでも、十分船旅は味わえる

今回利用したのは「スーペリア」の窓なしタイプ。さんふらわあには大部屋雑魚寝スタイルから上級ランクまでいろいろあるんですが、コスト重視で窓なしを選びました。

お部屋の広さ・ベッド
- セミシングル程度のベッドが2台
- 「収納ベッドを出せば3名OK」とあるけれど、実際は2人でギリギリの広さ
- シャワーは部屋にもあり(狭め)
「窓なし」って、後悔した?
結論、全然平気でした。
船内には共有スペース・展望デッキ・食堂など、海が見える場所がいくつもあります。コストを抑えたい人には「窓なし」は十分アリな選択肢です。
船内の食事|ビュッフェの「混雑攻略法」が大事

船内にはレストランがあり、ビュッフェ形式の食事をいただきました。
味の正直な感想



正直に言うと、「すごく美味しい」というほどでも、「マズい」というわけでもない、可もなく不可もない印象。メニューの種類は豊富なので、好きなものは何かしら見つかります。
夕食、朝食ともにレストランを使用しましたが1泊2日の船旅で食べるぶんには十分すぎる品数です。
⚠ 夕食時の最重要TIPS:「食券を先に買って、即並ぶ」

出港直後の夕食時、レストランのオープン20〜30分前から既に列ができていました。それを見た瞬間「これは並んだほうがいい」と判断し、私たちも食券を買ってすぐ並んだ結果、無事に一巡目で入店できました。(夕食の食券購入時に朝食の分も購入しておいたほうが◎)
年末年始やお盆など繁忙期だと、一巡目で入れないとかなり遅い時間まで待つ可能性があります。閉店の時間もあるので、確実に夕食を取りたい人は
- 乗船して部屋に荷物を置いたらすぐ食券を買いに行く
- そのままオープン前のレストランへ並ぶ
この流れがベスト。これだけで夕食ストレスゼロです!
持ち込みもOK

レストランを使わず、外から買ってきた食事を持ち込むのも全然アリ。共有スペースにテーブルと椅子があるので、そこで食べている人も多くいました。お部屋で食べてもOK。
でも個人的には、「船に乗った記念」としてレストラン体験を1回はしておくのがいいかなぁと感じています。
売店が、意外と楽しい



船旅の隠れた楽しみが、船内の売店です。決して広くはないけれど、置いてあるものもユニーク。
- 船内でも利用できるティッシュなど旅の小物はもちろん
- お菓子・おつまみ(夜食用に最適)
- 北海道のお土産お菓子
- 雑誌類
- サンフラワーオリジナルグッズ(パーカー・タオル・キーホルダー等)
サンフラワーグッズはなかなか他では買えないので記念に1つ手に取ってみるのもアリ。乗船のワクワクテンションでつい、さんふらわあパーカーを購入w
大浴場が「船にいることを忘れる」レベル

船内設備で驚いたのが、大浴場!ホテルの大浴場と同じレベルの広さ・清潔感で、「自分が今、海の上にいる」ということを完全に忘れるくらい快適でした。
⭐ 女子に嬉しい!ReFaシャワーヘッド&ドライヤー貸出も
大浴場で予想外だったのが一部のシャワーヘッドがReFa(リファ)になっていたこと。
「船の中なのに、こんなこだわりが!!」とこれは驚きました。髪の毛もちゃんとケアできる仕様。旅先で髪のコンディションを気にする大人女子には嬉しすぎるポイント🌿
さらにドライヤーもちゃんとあるので、自分で持ち込まなくても大丈夫。「荷物を増やしたくない」派の女子にとって本当にありがたい。
混雑時間帯はだいたい一緒

混むのは夕食直後の21時頃。一般的なホテルの大浴場と同じ傾向です。少し時間をずらすとゆっくり入れます。
私は夜と朝の2回入りました。特に朝日を見た後(後述しますが)、外気で冷えた体を大浴場であたため、朝からぼやっとする体験は最高です。
電波が届かない世界|強制デジタルデトックスの心地よさ

いつでもどこでも繋がれる現代では衝撃かもしれないけど、船旅で心地よくも感じたのが、これ。
外海に出ると、お部屋ではスマホの電波がほとんど入らなくなります。SNSも開けない、メールも来ない、LINEもできない。共有スペースだけは電波がやや繋がるんですが(ドコモはいけた、auはダメだった)それ以外の場所は「ネットのない世界」。
みんな思い思いの「静かな時間」を過ごしていた
船内を歩いてみると、他の乗船客もそれぞれの過ごし方をしていました
- 共有スペースで勉強や書き物をしている人
- 窓辺で本を読み込んでいる人
- ソファでぼーっと海を見ている人
- 友達とゆっくり話している人
「みんなここに来てまでスマホを見ている」みたいな光景がなくて、「ああ、本来人ってこういう時間の使い方もできるんだ」と思い出させてくれる空間でした。
私の20時間の過ごし方
今回は友人と2人だったので、ほとんどの時間は雑談に費やしました。普段、忙しくてゆっくり話せない話題を、海の上で延々と話せる贅沢さ。
「電波のない時間不安…」という人も大丈夫。寝る時間も含めれば、実質起きてるのは10数時間。意外とちょうどいい長さなんです。
★三陸沖で見た朝日が、本当に忘れられない

この旅で一番心に残った瞬間
翌朝、日の出少し前に起きてデッキに出てみました。船はちょうど三陸沖を北上中。冬の空気は驚くほど澄んでいて、快晴。
水平線の向こうから、ゆっくりと朝日が登ってきました。
初めてみたわけでもないのに「自然の力って、こんなにも偉大」全身でそう感じる美しさ。
360度どこを見ても海と空しかない。ただ朝日と海と自分だけがいる空間。普段、満員電車に揺られビルに囲まれて生きている毎日では、絶対に体験できない景色。
言葉にしてしまうと、ありきたりな「綺麗だった」になってしまうのですが、本当に何かが心の奥でほぐれていく感覚があって。この朝日のためだけに、また船旅に出てもいいと思えるくらいの体験でした。どんなに凄腕のプロが撮影したとしても生身の体験を超えてくることはない。そこを知って、行くきっかけにとどまる。だから旅行ってやめられない。
👉 もし船旅に行くなら、翌朝のデッキタイムだけは絶対に逃さないでください。
苫小牧到着〜札幌へ|船旅の余韻を引きずったまま

苫小牧港に到着したのは翌日のお昼過ぎ。朝日を見たあと、もう一度大浴場で朝風呂を楽しんで、お部屋でちょっと休んで……最後にお昼のカレーも食べて。。というゆったりした時間を過ごしての到着でした。
下船すると、目の前にバス停。苫小牧港から札幌市内まで直通バスが出ているので、車がなくても全然OK。私たちはそのまま札幌の次のホテルへ向かいました。
北海道の空気は東京とまったく違って、「ここまで20時間かけてやっと来たー」という達成感も相まって、いつも以上に清々しく感じます。
船酔い・寒さは大丈夫?リアルな体感

船酔い
正直、乗った瞬間に「少し揺れているな」とは感じました。でも、ありがたいことに私は終始問題なし。乗船時は天候に恵まれ凪の状態だったこともあって、対策もしませんでした。
ただ、船酔いしやすい体質の方は乗船前に酔い止めを飲んでおくのが安心。揺れの程度は天候次第なので、念のための備えはした方がいいです。
寒さ
冬に乗船しましたが、船内は普通に暖かい。空調がしっかり効いています。寒さを感じるのはデッキに出る時だけなので、時期に合わせた厚さの羽織れる防寒着があれば十分です。でも冬の北海道がほんとに寒いので(あたり前だけど)到着時、お昼すぎの苫小牧は朝日を見た三陸沖通過時よりもとてつもなく寒く感じました。
持って行って良かったもの・あったら便利なもの
⭐ あると便利:マグネットフック(100円ショップで入手可)
船旅ならではのTIPSです。船の壁は基本的に磁石がくっつく金属構造になっているんです。
洗面所に洗面用具のポーチを引っ掛けたい時、フックがなくて困ることがあります。でも100均で売っているマグネットフックを1〜2個持っていくと、好きな場所にフックを作れて超便利です。
⭐ ビーチサンダル
大浴場と部屋を行き来する時の必需品。靴で行くより気軽で、ホテルでも温泉でも応用できます。ビーサンは一組持っておくとどんな旅行先でも役立ちます。かさばらないし毎回もっておいてもいいくらい。
⭐ オフライン動画・本のダウンロード
「20時間、暇すぎたらどうしよう」という不安への保険として、YouTube動画やKindle本を事前にダウンロードしておくと安心。実際には景色を見たり、お喋りしたり、お風呂に入ったりで時間は意外と過ぎていきますが、念のための備えがあると安心です。
料金感|年末で約35,000円/人(2名利用時・スーペリア窓なし)


気になる料金。私たちが利用した2025年年末(繁忙期)のケース
| 部屋タイプ | スーペリア(窓なし) |
| 人数 | 2名 |
| 時期 | 2025年12月末(年末年始繁忙期) |
| 料金目安 | 約33,000〜35,000円/1名 |
「東京〜北海道の片道で、移動代+宿代をまとめてこの値段」と捉えると、コスパは良好です。通常期はもっと安くなりますし、WEB早割やバス&フェリー格安パックなど、公式のキャンペーンも豊富。最新キャンペーンは公式サイト&Instagramでチェックしてください。
船内でかかる追加費用は食事代+お土産代くらい。何もしなければ船賃プラスαで済むので、トータルで見ても十分現実的な選択肢です。
公式のお得なキャンペーン情報
さんふらわあでは時期によって様々なキャンペーンが用意されています。私が情報をチェックしたタイミングでは:
- ✨ WEB早割(早期予約で割引)
- ✨ バス&フェリー格安パック(バス+船をセットで予約)
……など、組み合わせ次第でかなりお得に乗船できます。最新キャンペーンは公式サイトと@molferry_ のInstagramプロフィールリンクから確認してみてください。
復路は飛行機で帰宅

「往復船旅、ちょっと長そうで不安」という方も大丈夫。片道だけ船旅というスタイルも全然アリです。「行きはじっくり、帰りはサクッと」実際東京住まいだと帰りは飛行機のほうが楽でいいかも。
こんな人にこそ、乗ってほしい
船旅って、おそらく「人生で1回は経験しておきたい」と思っている人が結構いるはず。でもいきなり1週間のクルーズはハードルが高い。そんな方に、さんふらわあの大洗〜苫小牧便は最高の入門編としておすすめできると感じました。
- 将来長期クルーズや世界一周旅に挑戦したい人の第一歩(→まさに私がそう)
- 普段スマホを手放せないけど、強制デジタルデトックスがしたい人(→まさに×2私がそう)
- 「何もしない時間」を手に入れたい人(→まさに…以下略)
- 友人や家族とゆっくり話す時間がほしい人(〃)
- 非日常で自分と向き合いたい大人女子(〃)
- 北海道旅行の「移動」をイベント化したい人(〃)
船酔いが心配な人も、20時間という時間は「船旅向いてるかチェック」にちょうどいい長さな気がします。本格クルーズに挑戦する前のお試しとして、最適です。
次は関西発の便にも乗ってみたい
今回の大洗〜苫小牧便は、移動の側面が強い路線と感じました。シンプルにちゃんと自分をオフにもできる構成で、それはそれで大正解でした。
調べてみると、関西発の便(神戸〜大分など)もあって、船自体が新しく、内装にも凝っていて、食事も地域色のあるメニューが楽しめるとのこと。次はぜひそちらの便にも乗りたい。
季節としては、本当は気候のいい春か秋がベスト。気温と海の安定感のバランスが一番良いはず。冬は冬で「澄んだ空気の朝日」というご褒美があるので、これはこれで好きですが、次は別の季節も狙いたい。
基本情報
| 船会社 | 商船三井さんふらわあ |
| 路線 | 大洗港(茨城)〜 苫小牧港(北海道) |
| 所要時間 | 約20時間 |
| 出港時刻 | 大洗港発 19:45発 苫小牧港着 翌日13:30着 |
| 住所(大洗港) | 〒311-1305 茨城県東茨城郡大洗町港中央2 |
| TEL | 029-267-4133 |
| 公式Instagram | @molferry_ |
| 公式サイト | https://www.sunflower.co.jp/ |
※料金・運航スケジュール・キャンペーン情報は時期によって変動します。最新情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ|20時間が余白であり旅の中心

飛行機の1時間半が「効率」だとしたら、船の20時間は「贅沢」でした。
スマホが繋がらない時間、海風を浴びるデッキ、湯船から見る海、ビュッフェの混雑攻略、売店探索、そして三陸沖の朝日。全部、移動だったはずなのに、全部が旅の中身。
「タイパ」「効率」が優先される世の中で、あえて20時間を移動に費やす贅沢。それを一度体験すると、忙しい日常での自分の時間の使い方も少し変わってきます。
北海道に行く予定がある人。連休をどう過ごそうか迷っている人。「何もしない時間」が必要だと感じている人。次の旅の候補に、ぜひ船旅を入れてみてください🚢✨
20時間後の自分は、きっと出発前より少しだけ、心が軽くなっています。

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